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「1st Choiceされるソリューションプロバイダー」となって、「新しい必要」という価値を社会に提供していきます。

代表取締役社長 社長執行役員

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2025年4月に始まった新中期経営計画期間では、高千穂交易ならではの強みを生かし、2030年を見据えた事業戦略を推進しています。
資本の有効活用を図り、グローバル展開の加速も視野に入れた積極的な投資を行いながら、潜在的な必要を満たすサービスで社会に貢献してまいります。

不確実な時代だからこそ意識したい、私たちの原点
予測しがたい社会情勢が続く昨今、私たちの目指すべきところを常に見失わずにいられるよう、幅広い層の社員が参加するプロジェクトを通じて企業パーパスおよびバリューを策定しました。「技術の力と、人へのやさしさで、空間に『新しい必要』」をつくる。」とパーパスに表現したとおり、技術商社である私たちの強みは創業以来70年以上にわたり「新しい必要」、つまり潜在需要を見出してきた目利き力、多数のエンジニア系従業員に支えられた技術力、そして丁寧な関係構築の結果として培われた強固な顧客基盤です。この3つがそろっているからこそ、開発から保守まで一気通貫で関わって製品やサービスに高い付加価値を付け、お客様にトータルサービスを提供することが可能となります。前中期経営計画期間の結果を踏まえてグループ各社のさらなる業績向上を目指すにあたり、マトリクス組織を導入して社内横串連携を強化し、組織を超えたマルチプロダクト・サービスを提供することで、従来の組織ではアプローチできていなかった顧客課題を解決し、ロイヤルカスタマーの獲得につなげていく計画です。

「1st Choiceされるソリューションプロバイダー」を目指す
私たちは、お客様から信頼され「1st Choiceされるソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ビジネスセキュリティセグメントでは、「ビジネスセキュリティなら高千穂交易」と認識されるくらい、セキュリティ領域に注力したいと思っています。2030年に向けた中期経営計画では、従来のネットワークセキュリティや物理セキュリティだけでなく、サイバーセキュリティ分野への新たな挑戦も含め「お客様の安心・安全は私たちが守る」という気概でトータルセキュリティを強化し、コア事業として成長させていきます。また、エレクトロメカニクスセグメントでは顧客を共有しながら各部門の強みを生かしたソリューション開発を進め、半導体部門と機構部品部門の連携をさらに強めていきます。エレキ(電子)とメカの技術を掛け合わせた当社独自のソリューションで、お客様製品の高付加価値化を目指す方針です。
一方で、中期経営計画期間の前半は投資の時期に当たります。1年から1年半は従来の不足部分を補完するための投資を行う期間と位置付けています。この間の成長曲線はなだらかなカーブを描くことになるかもしれませんが、ここでしっかり投資しておくことで、後半に大きな成長を果たすためのステップになるはずです。

「事業デザイン力」を強化し、お客様と共に未来を描く
従来の「モノ売り」思考から「事業をデザイン」する思考へと、考え方を進化させることが重要だと考えています。従来のビジネスの中心である「モノを売る」ことだけで終わらせず、当社の商材や技術サービスを駆使することで自ら事業をデザインして新しいソリューションを生み出し、課題解決までの一連のストーリーをお客様と共有したい。お客様と共にあるべき未来を描き、営業担当個人ではなく「高千穂交易から」買っていただく、これを目指したいと思っています。

さらなる成長のため、投資すべき先を見極める
計画策定や社内評価の際にROEやROICを指標として採用するなど、資本効率向上を意識した取り組みを前中期経営計画期間から進めています。バランスシート改善のため、レバレッジを活用することや、ROEが3期平均8%を達成するまでは配当性向100%を維持する方針のもと、2025年3月期に借り入れを実行しました。今後も有利子負債を適切に活用しながら資本戦略を実施していきたいと考えています。資本収益性を改善するために株主還元を優先した前中期経営計画から、新中期経営計画では、投資へと積極的に資本を割いていく方向へのシフトを図ります。ただし株主の皆様への配当に関しては、2027年3月期より累進配当制を取り、配当性向の数値のみにこだわるのではなく、現状の配当額を増額もしくは維持していく方針です。

事業投資の目玉は、積極的なM&Aの実施です。前中期経営計画のもとで総額30億円の戦略投資枠を設け、ベンチャーキャピタルへの投資やテリロジーホールディングスとの資本業務提携を行いましたが、今後はこのM&Aにいっそう力を入れていきたいと考えています。新中期経営計画では、技術や新規市場を迅速に獲得するためにも、特に東南アジアにおける販路拡大の端緒となり、ビジネスセキュリティセグメント、エレクトロメカニクスセグメントの成長を加速させるような投資が必要との判断から、前中計の2倍の60億円を戦略投資枠として設けました。
また、事業成長の基盤である人的資本への投資も不可欠です。新卒採用者の初任給引き上げ、エンゲージメントサーベイの実施、社内教育への注力などのなかで、海外研修の実施も検討しています。社内のDXを推進することで、業務効率の改善も図ります。私の直下にIT企画部門を設け、将来的に業務の一部をアウトソーシングすることも視野に入れ、社内のリソースをよりクリエイティブな業務へ割けるよう、生成AIなどさまざまなツールを駆使して生産性向上を加速しているところです。

ステークホルダーをいっそうワクワクさせる企業へ
ここまで具体的な戦略を述べてきましたが、私自身はもっとワクワクするような事業展開をしていきたいと、常々考えています。株主をはじめステークホルダーの皆様から「今度は何をやってくれるんだろう」と思ってもらえるくらいのパフォーマンスを発揮していきたい。そのための一つは、「事業をデザインし、ソリューションを創造する」という観点からも、会社の認知度を上げ、ブランディング施策に注力していく必要があると感じています。
今後やるべきこと、やっていきたいことは数多くあり、私自身も期待をふくらませながらさまざまな構想を練っているところです。ステークホルダーの皆様も、ぜひ高千穂交易のこれからにご注目ください。

2025年4月1日

高千穂交易株式会社
代表取締役社長 井出 尊信